black×cherry ☆番外編追加しました
もうどうにもならないと、それはわかっているけれど。

黒崎さんを好きなまま、早川先生と結婚するなんて私はできない。

「・・・」

ママは、考えるように口をきゅっと固く結んだ。

そして眉間にシワを寄せて言う。

「好きだからってね、結婚て、お家が大きく関係するの。だから・・・好きってだけで、うまくいくとは限らないのよ」

「えっ・・・」

パパとは違う解答だった。

戸惑う私に、はっとなったママはごまかすように言葉を足した。

「・・・とにかく。決まったことなの。ママからのお願いよ。お願いだから・・・食事会は、ちゃんとして」

「・・・」

また、私の苦手な、困ったような泣きそうな顔をされてしまった。

断りたい。

けれど、この表情に「ノー」と言えずに口をつぐんだ。


(だけど、このままじゃ私は・・・)


反抗できず、無言でうつむく私の肩を、ママは優しくポンとたたいた。

そして、最後の呪文のように「お願いよ」と私の瞳に語りかけた。













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