冬の恋、夏の愛
日曜日の午後、オレの部屋でゴロゴロしながら、莉乃ちゃんはパソコンとにらめっこをしていた。あ。ゴロゴロしていたのは、莉乃ちゃんではない。せっかくの日曜日が雨で台無しになり、ふてくされていたオレだ。

「クリスマスは、ついで。誕生日だから、好きなのを予約して」

涼介のアドバイスに従い、クリスマスディナーの話をした。

「寿彦さん、ホンマに予約してもいい?」

目を丸くして想像通りの反応をした、莉乃ちゃん。

「いいよ」

ふわぁ……とあくびをしながら、返事をした。

横浜の夜景が綺麗な高級ホテルでの、クリスマスディナー。クリスマスに生まれた莉乃ちゃんに、ささやかなプレゼントだ。

「ありがとう」

莉乃ちゃんが好みのホテルをみつけたようで、決定ボタンをクリックした。後ろで寝転びながら、チラリとそれを確認する。

これで莉乃ちゃんの大切な一日を、オレが予約したのと同じだ。油断すると緩む頬を隠すために、ゴロンと寝返りをうつと、莉乃ちゃんに背中を向けた。

三ヶ月も先のことだけれど、早くも心が弾む自分がいた。


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