笑う君の
タイトル未編集





「はぁ…っ…はぁッ……」


吐く息が荒い。


「ハッ…はぁ…っせ、センパイ…ッ」


喉が痛い。
我ながらお人好しだと思う。

なんで私は今、こんな夜中に走ってるんだろう。

普段は来ない繁華街の裏路地。
背後で私に手を引かれる鼻水と涙、落ちかけのメイクをぐちゃぐちゃにした後輩。


「センパイ…っごめん、なさっ…わたし、」

「そーいうのいいから!今は逃げるよ!!」


さっき通ったゴミ捨て場を踏み荒らし、野次を飛ばしながら追いかけてくるあいつらをちらりと見て、スピードを上げる。

どうしよう…じきに追いつかれる。

あぁもう…


「何でこんなことに…ッ!?」


喉が痛い。



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