愛するもの。愛すべきもの。
「なんにもないなぁ〜………」
勉強机に置かれた新品な教科書。
部屋に置いてある本棚はほとんど空。
クローゼットを開けても服が数着。
アルバムや写真なんてあるわけもなく。
自分が何者なのか示すものは全くなく、記憶を思い出す鍵となるモノが分からない。
そもそも私の記憶に少しでも感心を持ってる人などいるのだろうか。
いや、いないだろう。
誰が私の心配をすると言うのだろう。
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