愛するもの。愛すべきもの。
なんて大きな声で叫んでる人がいたり。
クラス発表を見たであろう生徒達が喜んでたり悲しんでたり。
「萩原!無視すんなって」
そう言いながら近寄ってきた男………性?
制服を着てないところからして生徒では無いだろう。
「萩原、久しぶりだな」
私の目の前でニコニコしているこの男は一体誰なんだろう。
「どうした?」
「いや、名前呼びなれてなくて………」
退院してから私のことを名前で呼ぶ人は居なかった。
私は萩原莉子だという自覚はまだない。
だからさっき呼ばれても反応できなかった。