君を忘れない~妄想の中の王子様
「あんた、不思議な人だな。」

 ボソリと、レイが、つぶやいた。

「えっ!?どういう意味?」

「なんか、うまく言えないけど。」

 そんな風に言われると、ますます、気になる。変だ、ってこと?

 言葉を、探していると、レイが、手をそっと離して、寂しそうに言った。

「でも、あんまり、俺に、関わらないほうが、いい。」

 どうして、そんなこと、言うんだろう。胸の奥が、チクリと痛む。

「そろそろ、帰ろう。」

 レイが、言った。
 風が、少し冷たくなってきていた。





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