君を忘れない~妄想の中の王子様

「はじめまして。私は、サラよ。レイの身元引受人。よろしくね。」

 笑顔でそう言って、サラは、右手を差し出した。

「はじめまして。私は、…」

 私も、右手を差し出し、サラと握手した。小さくてしわくちゃだけど、暖かい手だった。

「私は、リーファ。私は……!」

 ……わからない。自分の名前以外、何も思い出せない。
 どうしよう……。

 しばらくの沈黙があった。

 ……っ。思い出そうとすると、頭が痛い。

「ごめんなさい。それ以上 思い出せません。」

 正直に、そう言うしかなかった。
< 6 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop