night&day
day
「何か気になるのありました?」
「これとこれなんですが・・・」

机の奥のおばさんに、ついさっき印刷機から出した二枚の紙を渡す。

「では見て見ますね」

カチカチとスムーズに打つキーボードの音がやけに小気味良い。

「あーこれは、もう駄目ですね。もう一個の方見て見ますね」

そっちだってきっと駄目なはず。
それぐらいわかる。
人気ありそうだもん。

「あらぁ」

ほらね。

「これももう応募数達しちゃってるみたいですね。タイミングがちょっと合いませんでしたね。最新の見てみましょうか」
「今日はもういいです。明日来ます」
「わかりました。携帯電話からも見れますから、こまめにチェックしてみて下さいね。お疲れ様でした」

大学卒業と同時に就職先を失って、ハローワークに通い初めて早三日。

もう嫌だ。

大学の就職課にも未だに通って、皆親身に探してくれたりして、応援してくれる人は沢山いるのに何故か職は見つからず。

大学四年の秋にはもう内定が決まっていて、そこから卒業まで余裕で過ごしていたのに、いざ入社式っていう日に倒産の知らせ。

一体私が何したというんだ。

何の嫌がらせよ、全く。
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