SecondWedding


「とにかく陽菜、座りなさい。喉が渇いたでしょ?今ジュース持ってくるから。涼もね」

「俺はコーヒー」

分かってます。

オレンジジュースとコーヒーをテーブルに並べて

「はい、どうぞ」

「ありがと」

ゴクゴクと美味しそうに飲んで

「ママパパ、このおしゃしん」

テーブルに置いた写真を見て

「陽菜が持ってきたのか?」

「うん。ひなのおしゃしんをみようとおもってパパのおしごとべやにはいってみつけたの」

陽菜の言う『パパのお仕事部屋』とは三階にある書斎のこと。

結婚式の記念写真や家族のアルバムもそこに置いてある。

「あ~この写真!懐かしいなぁ」

「おにいちゃんはなんでパパとママのけっこんしきにでたの?まぁくんも。ひなとかずくんだけいないよ」

「そりゃ陽菜と和君はまだ生まれてなかったし。これ確か僕が三歳くらいの時だもん。まぁ君だって赤ちゃんだし」

そうね、涼は三歳だったわね。

『ママお姫様みたい』って褒めてくれたわね。

ほんと、懐かしい。

と、思い出に浸っていたら

「おかしいよ」

陽菜がまた大きな声で

「けっこんしきなのにおにいちゃんがさんさいなんて!けっこんしきがすんでなんねんかたってからこどもはうまれるんでしょ?」

陽菜の疑問は確かにもっともね。

陽菜は結婚したら神様が赤ちゃんの卵を女性のお腹にプレゼントしてその卵が育ち段々とお腹が大きくなってはち切れそうになったら生まれるって思ってる。



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