【短編】泣き顔記念日
「…るい」
「うん」
わかってるから。
言わなくていいから。
気付くのが遅くてごめんね。
「……うぅ…あのね──」
鼻をすすりながら話す彼女をさらに強めに抱きしめる。
「……振られちゃった」
悔しくて悲しくて震えている彼女の体は、痛いほど僕にも伝わって。
見てるだけの僕でさえ、2人はそうなるんだと思っていた。
七瀬の友達だって。
だったら尚更、
七瀬だってそう思っていたに違いないから。