東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
これで私の産業スパイ疑惑が消えてくれることは間違いないだろう。

「それでは、この辺で失礼します」

副社長は一礼すると、私たちの前から立ち去った。

課長もその場から離れると、オフィスへと入って行った。

私も後から入ろうとしたら、
「桜井、その前に制服に着替えてきたらどうだ?」

杉浦さんに言われて、自分の格好が私服のままだったことを思い出した。

そうだ、副社長に連行されたせいで着替える時間がなかった。

「はい、すぐに着替えてきます」

私はそう言うと、更衣室へと足を向かわせた。

更衣室で着替えを済ませると、カバンからスマートフォンを取り出した。

それをスカートのポケットに入れようとした時、画面がチカチカと点滅をしていることに気づいた。

画面をタップして表示させると、村坂さんからメールがきていた。
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