東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
社長は潤んだ目で微笑むと、
「――つづりちゃん、君はいいお嫁さんになれるよ」
と、言った。

「老いぼれの僕にマナカを貸してくれたうえに、僕のわがままを聞いてくれて…。

そのうえ、光明のこともそんな風に評価してくれて…。

君の方が優しくて素敵ないい人だよ。

やっぱり、光明のお嫁さんはつづりちゃんじゃないとダメだよ…。

他の女の子になんか僕の息子は渡せないよ…」

「そ、そんな…」

そこまで言われてしまったら、後に続く言葉が見当たらない。

「ちゃんと、光明のことを信じてね?

光明のことを待っててあげてね?」

そう言った社長に、
「――はい」

私は首を縦に振ってうなずいた。

同時に、私は思った。

――副社長に自分のこの思いを伝えよう、と。
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