東京恋愛専科~または恋は言ってみりゃボディブロー~
「でも見た感じは悪くなかったんでしょう?」

「まあ、かっこいいと言うよりもキレイって言う感じだった。

中性的な容姿の美青年って言うところかな?」

そう答えた私に、
「えーっ、いいじゃないのよー。

美形なうえに副社長なんて、めったにめぐりあえないわよ?

もうこの際だからつきあっちゃったらー?」

ナオはこちらに身を乗り出してきた。

「ちょっと、近いって!

もう、そんなに言うならばナオが副社長と会えばいいじゃないのよ!」

私が言い返したら、
「ちょっと、アタシにそんな趣味なんてないわよ」

ナオは不機嫌そうに言い返した。

「こんなしゃべり方でこんな外見でこんな職業だけど、あくまでもアタシは男とつきあう趣味なんてないからね」

ナオこと桐島直太郎(キリシマナオタロウ)は言い返すと、腕を組んだ。

怒った時の彼のくせである。
< 22 / 271 >

この作品をシェア

pagetop