1か月だけ同い年。
プロローグ

浅賀紗千



6月6日。それは毎年嬉しい日。幼なじみに小さい頃から憧れ続けている人に追いつける日。


7月6日。それは、1か月ってとても早い。それを1年のうちでいちばん感じる日。


私の誕生日から1か月が過ぎた日。また抜かされる。ずっと一緒がよかったのに。



でも、待っててね、司くん。また1年後に追いつくんだから!!






浅賀紗千の日記はどの年を見ても、7月6日には同じ言葉が綴ってある。


きっと自分では気づいていないんだろう。
いや同じようなことを書いているのには気づいている。


ただ、一言一句違はぬことを書いているとは気づかない。




全く同じ言葉を書いてしまうほど、彼女は司に追いつきたいのだ。


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