蒼姫様は、守られません!!② ~完~

その頃の琉風

☆★琉風side★☆


「琉風姉、来たよ。」

「もうあの部屋には通したから」

「分かった。ありがとう、2人とも。」





相変わらず息ぴったりの双子、耀と謙に礼を言えば

2人は曖昧な笑顔を浮かべてあたしを送り出した

着物の襟と裾を正して深く息を吸う




「失礼致します。」




声を掛けて襖を開けた

そこには"本物"の彼女が座っている

ただその笑みにいつも余裕は感じられなかった





「お久しぶりです、茉緒様」

「…ええ、久しぶり、ね」

「本日はどのようなご用件でいらしたのです?

茉緒様がわざわざお越しになるようなことですか?」

「…変なことを言うわね、前にも来たじゃないの」




余裕の笑みを保つ彼女

だけれど、動揺が隠しきれてませんよ?




「変なことを言ってるのはそちらでしょう?

前に来てたのは茉緒様の"代替品"の

池谷瀬良さんでしたのに」
< 183 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop