彼女の罪について
 


「……ね、ヨリちゃん。俺も由梨加のこと愛してるんだ。本当に」

「……わかってる」


彼は本当に残酷だ。

私に触れ、肌を重ねながら、残酷なほど真っ直ぐに由梨加のことを想ってる。彼となら由梨加は幸せになれることを、3年間ふたりを見てきた私が本当は一番よくわかっているのだ。

そして“親友でいたい”私と“一途でありたい”彼だったからこそ、この3年間絶えず由梨加を笑顔にすることができたのだと。

そしてこれからも私たちには、きっとそれができるのだと。


たとえこの秘密と罪を抱え続けようとも。いつかこの身がボロボロに朽ちてしまおうとも。
心のどこかで、……私は。






――彼女に幸せになってもらいたい?

――……もちろん。

――じゃあ協力し合おう、ヨリコちゃん。






「ふたりであの子を、幸せにしよう」


再び降りてきた彼の唇を、その痛みを、揺るがぬ誓いを。私は目を閉じて受け入れる。純白のドレスに身を包み、花を抱いて微笑む彼女の姿を思い浮かべて。


……ねえ由梨加、愛してるよ。


私も誓おう。

私があなたを、しあわせにするから。










END


 
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