隣のキミ。


男の子の1人は持っていた鞄を隣の男の子に渡す。

お母さんも私も首を傾げた。

そして、その男の子は、器用に木を登って行く。


「あ、危ないわよっ!降りなさい!」

「真緒ー!危ないよー!」

「大丈夫」


お母さんと一緒にいた男の子に注意を受けても、男の子はそのまま木を登り、風船に近づく。

手を伸ばし、風船の紐を握ると、また器用に木から降りてきた。


「はい」


お母さんに隠れていた私に向かって、風船を差し出す。

その時、私には男の子がキラキラ輝いているように見えた。


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