キャンディ☆
第12章 kei side

ガラスのリンゴ

俺は完成したポスターを林檎ちゃんに

見せたくて、車を走らせた。


あのプレゼントを持って・・・。


まるでプロポーズするような

そんな気分になってる自分に気付いて

思わず苦笑いしてしまった。


ただの置物。

それなのに、緊張しまくってる俺。


彼女は突然の訪問で驚いたようだが

家へと誘ってくれた。


正直、ご両親の前で渡すのは

恥ずかしかったので

駐車した車の中で話した。


林檎ちゃんにポスターを見せると

予想通りの反応だった。


「自分じゃないみた~い」

と恥ずかしそうにする彼女。


でも、きっと本人も満足してる。

それは目を見ればわかる。


ただ、俺はこれが世の中に出てからの

彼女の環境を考えると不安だった。


可愛そうなことにならなければいいが・・・

そう思いながらも、自分が

モデルをさせてしまったことを

後悔していた。

彼女の笑顔を見てると

気付いた時には抱き占めていた。
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