そのくちづけ、その運命
「ね、あの約束覚えてる?」
しばらくしてから、真人が口を開いた。

何のことかと思っていると、

「早く実琴描きたいんだけど」

一気に思い出した。でも、

「無理だって!絶対無理!
というか、モデルなんてほかにいくらでもいるでしょ」

「いーやーだー。オレは実琴を描きたいの」

すぐ耳元で真人の声がする。

…むずがゆい。

…だけど、素直にうれしいと思ってしまうのだから仕方がない。

それを真人に直接伝えられるようになるにはまだ少し時間がかかりそうだけど。



これが私たちの現在。
未来へと続く、今日という道しるべ。


真人、私を好きになってくれてありがとう。

あのときの私を見つけてくれてありがとう。


これは、果たして「運命」と呼べるものなのだろうか。


分からない。

でも私は信じていたい。

だって、何かに導かれるようにして、私たちは出会うことができた。

それは確かなことだから。







< 66 / 66 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:49

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
こちらはマンガシナリオになります。 「第2回noicomiマンガシナリオ大賞」にエントリーしています。 ……*………*…… 小森実里 こもりみさと 高校2年生の17歳、身長159cm。 男子が苦手で、恋愛は自分とは関係のない世界の話だと思っている。 幼い頃よくいっしょに遊んだ優しくて可愛い男の子、 「いっくん」との思い出は今も大切に心にしまっている。 本谷一樹 もとやいつき 高校2年生の17歳、身長180cm。 実里の可愛かった元・幼馴染み。 両親の離婚を機に生まれ育った故郷を離れていたが、 高校に上がってから戻ってきた。 現在はアパートで一人暮らしをしている。 ……*………*…… 「あー・・・。みさとかわいい」 成長したいっくんの少しざらついた低くて甘い声で耳元でささやかれ、 心臓が飛び跳ねる実里。 「・・・!? だっ、誰にでも言ってるんでしょ・・・!?」 「は?・・・ほかの女なんて考えたことない」 「わかってんだろ、俺が今も昔もみさと一筋だって。 頼むからそんな意地悪言うなって・・・」 いじけたような表情の一樹にきゅんとする。 こんな派手な見た目なのに、そのギャップはズルい・・・! ……*………*…… トラウマを抱え、男子に対して苦手意識をもつようになってしまった小森実里。 再会したのは、あの可愛くて大好きだった幼なじみのいっくんこと本谷一樹?! あの可愛かったいっくんの面影は今や見る影もなく、タトゥー・ピアス・アッシュグレーに染められた髪色・・・ 実里が最も苦手とするタイプの男子に変貌していた――――。 だけど、実里を想う気持ちは昔のまま・・・。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop