取り込む家
帰宅~優生サイド~
バイトを終えて帰って来ると、咲が出迎えてくれた。


家の中からは夕飯のいい香りがしてくる。


今夜は俺の大好きなハンバーグみたいだ。


「おかえり優生」


エプロンで手を拭きながらそう言ってくる咲の体を俺はたまらず抱きしめていた。


こんな、家族ごっこみたいな事が嬉しくてたまらない。


好きだという感情が今にもあふれ出てしまいそうだった。


「ちょっと、どうしたの?」


咲は俺の腕の中で混乱した声を出す。


俺はその質問に返事をする代わりに、咲の体を抱き上げた。


突然お姫様抱っこをされた咲は真っ赤になり、俺の腕の中で抵抗している。


「そんなに暴れたら落とすよ?」


そう言うと、咲は静かになった。


そのままリビングのソファに咲の体を横たえ、キスをした。
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