今日も一条三兄弟と××な日々。


インターホンを2回鳴らしてみたけど反応がない。さらにもう一度鳴らして、4回目も懲りずに鳴らすとスピーカーから声が。


「うるさい、開いてる」

それは聖の声だった。

玄関のドアに手を伸ばすと確かに鍵は開いていて、恐らく家の中へ入ってきてもいいという意味だと勝手に解釈した。

いつも夕方になると一条家でも昴さんの作る美味しそうな料理の匂いがしてくるのに今日はしない。

リビングにだけ明かりがついていて、私はそっとドアノブに手をかけた。


誰もいないのにテレビだけがついていて、やっぱり料理はおろか換気扇すら回っていない。

とりあえずお母さんが持たせてくれたタッパーをテーブルの上に置いて辺りをキョロキョロ。


……さっき聖が応対してくれたのにどこに行ったんだろう。自分の部屋とか?


「おい」

「ひゃあっ……」

そんなことを考えながら急に真後ろから声がして思わずビックリしてしまった。


「も、もう!脅かさないで……」

振り返って私の思考は一時停止。

何故なら聖が上半身裸だったから。しかもお風呂上がりなのか髪の毛は濡れていて、まつ毛にまだ水滴が残っている。
< 116 / 205 >

この作品をシェア

pagetop