『誰にも言うなよ?』


勇気が、欲しい。


「……レオ」

「なに」

「どうして、わたしが先生に朝呼び出されたこと知ってるの?」

「……へ?」

「なんで?」

「ははっ。……愛の力、かな?」

「嘘だ」

「エスパーだよモトコ」


そんなわけあるか。


「まさか、まだ変なアプリ入ったままなの?」

「そういえば、ひとつアンインストールし忘れてたかもねぇ。あはは」

「レオッ……!!」

「怒らないで?」

「もうっ、」

「あれぇ。この音……」

「!」


――突然、聞こえてきたのは……。


「エンジン音?」

「だねー」


(まさか……仲間が増えたの…!?)


校庭に目を向けると


さっきの派手な連中とは打って変わって、真っ黒なバイクに乗る男たちが入ってくる。


着ているのは、黒スーツ。


バイクから降りた男のうち、ひとりが


黒マスクをしている――。


「……なぁんだ。呼ばなくても来たね」

< 330 / 540 >

この作品をシェア

pagetop