好きにさせてよ!❤️一途女子VSクーデレ男子❤️
「うーん、勝算、かぁ。
……普通そこは“可能性”って言わない?」
縡ちゃんの言葉の意図が分からなくて眉根を寄せる。
「ああ、だって可能性が無いとは言い切れないもの」
縡ちゃんは真顔であたしの顔を見つめた。
「……マジで?」
「…うん、マジマジ」
「そっか、有り難う」
「いえいえ。そんな事より勝算は?」
「……全く御座いません」
「それじゃダメじゃん!」
あたしの発言に駄目出しした所で縡ちゃんは視線を窓の外に戻した。
そして一言。
「あ、里中だ」
えっ、嘘!
「何処、何処、何処⁉︎」
慌てて縡ちゃんと同じ方に視線を向けると。
「ほら、彼処」
「本当だっ…!」
窓越しに一階の渡り廊下を歩いている里中の姿が目に入った。