溺愛CEOといきなり新婚生活!?

 小さく控えめにノックされた社長室のドア。
 勝手に開けないで待っている様子が、愛おしさを募らせる。


「――いらっしゃい」

 デスクを離れ、室内を進んでドアを開けた俺は、彼女を見るなり手を引いた。


「っ……海都さん!?」
「ん?」

 曖昧な返事をして、キスをする。
 ドアに彼女を押し付けて、ゼリーのようなうるおいを纏った唇を食んだ。


「――っ、はぁ」

 少し解放してやると、上がった息を甘く漏らす。
 キスだけで紅潮した表情がたまらなくて、俺は意地悪に微笑みを見せた。


「海都さん、何がご用があって呼んだのかと思ってたんですけど」
「花澄を食べてしまいたくなったから、呼んだ」

 舌先を出して、マスカットの香りがする唇を舐めてやる。
 ぷるっと震えた赤い唇があまりにも美味しそうで、俺はまた食らいつく。


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