【完】☆真実の“愛”―見つけた、愛―1
「……話」
「……ああ」
「まだ、続くんでしょ。最後まで、聞かせて。じゃないと、こんな少ない情報だけで、人殺しと月姫を私は責められない」
……夕蘭と、同じことを言う。
過去でも、彼女はこうして最後まで聞ききった。
巫女だから、と。
その姿勢は美しくて。
「月姫は生まれ変わって……」
すべての話を終えたあと、沙耶はどうするだろうか。
軽蔑する?
馬鹿にする?
……どれになるかは、わからないけれど。
沙耶を信じたい。
話を終えたあとも、あいつと仲良くしてくれることを。
なにも知らないあいつには、笑っておいてほしい。
俺らの、何千年も前からの願いを、
たった、それだけの願いを、
彼女たちがわかってくれるなら。
俺らは、その時に願えるだろう。
――自分達の幸せを。