【完】恋愛モノポリスト

ただ、求めてただけ…。

「はぁ…」

それは、1年の夏休みが明けて、まだ残暑が厳しい時。
俺は、何10回…いや、何100回目?の溜息を吐いていた。
理由は勿論、ななの事。
どうやったら、振り向いてもらえるのか、なんだか最近分からなくなってしまってた。
お陰で睡眠不足だし、風邪を引いたのか体怠いし、傍から見ても半死な俺。
くたっと、部室のミーティング用のテーブルに頭をくっ付けていたら、

「なんだよ、凌太。お前、なんかボロボロだな…」

呆れ顔で顔を覗き込んで来たのは、同じバレー部の香坂仁(こうさかじん)だった。身長180越えの俺とは違い、リベロとしてスタメン入りを果たしてる小柄なコイツは、性格もがっつり男前。『THE・戦う男!』っていうのはこういう奴の事を言うのかもしれない。

「んー…もう…マジでやばい。暴れそ…」

力無くそう言う俺に、

「暴れんなら、コートの上でしろよ。お前エースなんだから」

と、更に呆れ顔で言って来た。
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