副社長はウブな秘書を可愛がりたくてたまらない
 今にも溜め息が漏れ出しそうなのをグッと堪えて、綺麗にセットされた明るめのアッシュブラウンのボブヘアーを揺らす彼女を横目に見つめた。

 すると彼女は、赤い口紅が似合うセクシーな唇の片方だけをイタズラに吊り上げる。

 ……やられた。

 ぼんやりと薄暗い黄色の照明の下、掘りごたつ式の細長いテーブルを挟んで、向かいには面識のない男性が五名。こちら側には、私と真希を除いて女性が三名。男女五対五の飲み会。

 この状況を見れば、〝こういうこと〟に関心がない私にだって嫌でもわかる。

 ……これ、絶対に合コンだ。

 私がこういう場が一番苦手だって、誰よりも知ってるくせに!

 事の発端は、今日のお昼に遡る――。
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