struck symphony
稲妻
長い夜の起こり ー






暮れゆく、曇霞 曇雨 のなか…




恵倫子は、響とともに 会場に着いた。




楽しみな声々の 人の流れ…


同じように吸い込まれるように、
恵倫子と響も、エントランスへと入った。




今日の会場は、しっとりと落ち着いた雰囲気。



以前、
初めて行ったときの会場との違いを思い出す。




絢爛豪華な内装とは また違った、趣ある内装に、
そのものが感じさせる風情の
しみじみとした味わいを
深く 心情得る。





胸躍り、ホールの扉を開けると、



“わぁ… ”



恵倫子は、感嘆の吐息を漏らした。




暗がりのなかで 映える光色


水面の月明かりが靡くように光る 階段通路


緑筒光が
グラデーションにライトアップされた 四方壁面




黒の中で 緑が映える…



四方に煌めく、圧巻…




そこはまるで、

竹取物語の世界に

迷い込んだような光景が 広がっていた…

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