その恋、記憶にございませんっ!
 唯は、窓の鍵を確認しながら、

 意外に素直だな、この人。

 そういえば、私に手を握られて、なにも言わずについて来たんだよな、と思う。

 ペラペラ前を見たまま、笑ってしゃべっている自分に手を握られ、大きな蘇芳が黙って、ついてきている姿を想像するとちょっと笑える。

 ……いや、この状況自体はまったく笑えないのだが。






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