365日、いつまでもふたりで
「ほら、これ」



あたしにスマホの画面を見せてくる。



「花火の日?」


「そう。だから、これ」



さっき地面に置いた線香花火を手に取る。



「須坂さん、なんだかの日に詳しくすぎませんか?」


「うちの姉ちゃんがめっちゃそれにうるさくてさ。一覧書いた紙昔から家に貼られてんの」



面白そうに笑う須坂さんにまた違う一面が見れたような気がする。



「俺もこの前はどうしたらいいかわかんなくなっちまって。お前の気持ちもわかんなかったし。だからこの日を使うことにしたんだ。不安にさせたならごめんな」



あたしの手をぎゅっと握る。



「これからはちゃんと目、合わせてくださいね」


「俺、そんな目合わなかった?めっちゃ見てたつもりなんだけどほんとダメだな。こういうのほんと」



いつも会社ではバリバリ仕事ができる須坂さんが、こうしてあたしにだけ見せてくれる表情がすっごく嬉しい。

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