365日、いつまでもふたりで
「はは、いいな。これ」



初めて〝あーん〟とかいうバカップルのようなことができて御満悦そうな竜くん。



「もう、竜くんがそんなことしたがるなんて思わなかったよ」


「たまにはな。今日は特別な日だろ?」


「うん……」



今日は、5月23日。
一年前の今日、竜くんと初めてのキスをした。

竜くんとあのキスがなかったら、あたしはこの人のことを意識していなかったんだろうから。
付き合い始めた日よりも、大事で忘れられない日だ。



「あれから1年かぁ……」


「早いよね」


「ほんとだな。あの時内心俺、めっちゃドキドキしてたんだよなー」



竜くんの言葉にクスッと笑ってしまう。

だって、あの時の竜くんは余裕そうにしか思えなかったから。

キスの日。
そんなことを口にして。



──しちゃおうか、キス。


そんなことを言う人に、ドキドキしていたなんて言われても信じられるわけが無い。

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