365日、いつまでもふたりで
「もしかしてこれで午前中ずっと悶々としてたの?」


「うん。別れを告げられるのかと……」


「なにそれ、かわいい!」



ぷっと吹き出して笑い出す。



「笑うなよ」



ぐいっと茜を引っ張って俺の腕の中にいれる。



「竜くん……流山さんは?」


「さっきの見たら分かるだろ。塚田のことが好きなんだよ」


「そうなのか……」



俺の背中に手を回してギュっと抱きついてくる。



「あ、茜。これ」



ポケットからさっき机から出した包み紙をだす。



「なに?」


「今日、メンズバレンタインデーでもあるんだ」


「へー。あ、これこの前もらったネックレスの!」



包み紙を開いてぱぁっと顔を輝かせる。



「うん。ブレスレット」


「嬉しい!ごめんね、さっき流山さんとお似合いなんて言っちゃって……本気じゃないよ」



茜がもう一度俺に抱きついてくる。



「わかってる。俺が好きなのはたった1人。茜だけだから覚えておいて」


「うん。あたしもだろ。竜くん」



勘違いでよかったとつくづく思う。
こうして勘違いすることもまたあるかもしれない。

でも、その度にオレら2人で解決していきたい。
俺らならできる。

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