365日、いつまでもふたりで
「ねぇ、さっき買ったのはなんだったの?」


「あぁ、いまわかるよ……っとその前にここ」



展望台の前にあるハート型のモニュメント。
そこに、テレビで見た事のあるような鐘があった。

〝誓いの鐘〟と書かれているのが見える。



「なにこれ、すごい」


「な。ふたりで鳴らす?」


「うん!」



嬉しくなって、竜くんの手を握って今度はあたしが走り出す。



「はしゃぎすぎだし」


「だってこういうの好きだもん!」


「知ってる」



知ってるからここに来てくれたんだよね。

そんな竜くんのこと前よりもずっとずっと大好きで。
好きが溢れて止まらなくなりそう。



「ほら、鳴らそう」



鐘についている紐を持って、あたしを見る。



「うん!」



あたしも竜くんの手に触れるように紐を握る。



「いくよ」


ふたりで紐を揺らせば、ベルを鳴らす誓いの鐘。



「そうだ、言う事聞くって言ったよな?」


「え?」


「言ったじゃん?」


「あー……」



初めからこうなることはわかっていた気がする。


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