365日、いつまでもふたりで
「プロポーズみたい……」


「そんなもんだろ。俺は離れる気なんかサラサラないから、言う事聞ける?」


「……っ、そんなの……当たり前だよ!」



あたしだって、竜くんから離れるつもりなんてこれっぽっちもない。
離れろったってまとわりついてやるくらいの気持ちがある。



「これ、書こう」



ポケットからサインペンを取り出して、スラスラと何かを書き込む。



「名前?」


「ん。自分の名前は自分で書くわ」



RYUと書き込んでいた竜くん。



「ほら」



あたしにも南京錠とペンを差し出してくる。



「……うん」



あたしも、AKANEと書き込んでみた。
そして、ふたりの名前の間にハートもつけて。
こういうの竜くんは書けないだろうから。



「俺じゃ書けないから、茜が書いてくれてよかった」


「わかってたから。竜くんは絶対書けないって。書きたいのにね」


「なっ!うるせぇ!ほら、つけるぞ」



南京錠の鍵を開けて、フェンスの網目にくぐらせる。



「これで、誓いもできたし。またここ、来ような」


「うん」



南京錠のフェンスのまえでもう1度キスをした。


竜くんと誓いを立てた日。
絶対に忘れないこの日。

ふたりの誓いは永遠に違いない。
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