365日、いつまでもふたりで
「ずっとこうしたかった」



家にはいってすぐにあたしのことをぎゅっと抱き締める。



「うん、あたしも」


「距離があるとさ、なんにも出来ねぇのな」


「うん……」


「最初は電話も新鮮でよかったんだけど、おわったあとに必ず、キスしたい……抱きたい……近くにいたいって寂しさばっか浮かんでくんだよ」



竜くんの気持ちは痛いほど伝わってきた。
あたしも同じ気持ちだったから。



「うん、電話のあと必ず竜くんに触れたくなった」



こう思うのは変なのかなって思ってた。
でも、そんな思いはあたしだけじゃなかった。
ふたりとも同じ気持ちだったんだ。



「やっぱり近くが一番……だよな」



すごく優しくあたしに触れる。
あたしの存在をたしかめるように、そっと。



「うん……今こうして一緒に入れることが嬉しい」


「来月の中旬には終わるから……それまでの分、今日はちょうだい。たくさん茜をちょうだい」



恥ずかしくなるようなセリフにも今日は素直に頷けた。



「たくさん!たくさん、竜くんを感じたい!」



竜くんの首に手を回せば、竜くんからたくさんの愛をもらえた。


1度離れたからこそ、わかる。
相手の存在の大切さ。
近くにいることの幸せ。

これからもこの経験を忘れないで、お互いを大切にしていこうね。

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