愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
好きになったって、どうせ報われないとわかっているのに。辛い思いをしたからこそ、今度は幸せな恋愛をしたい。好きになった人にも自分のことを好きになってもらいたいのに。

唇をキュッと噛みしめてしまった時、秘書の女性がやって来た。

「お待たせしてしまい、申し訳ありませんでした。ご案内いたします」


とにかく今は恋愛のことを考えている場合じゃない。今日は副社長にとって大切なプレゼンの日なんだ。なにかやらかして迷惑かけるようなことだけは、絶対にするわけにはいかない。

気持ちを入れ替え、緒方社長が待つ社長室へと向かっていった。



「お待ちしておりました、一之瀬副社長! ご足労させてしまい、申し訳ありませんでした」

「いいえ、とんでもございません。本日はお忙しい中お時間をいただき、ありがとうございました」

「いやいや、忙しいのはお互い様でしょう」

社長室に案内されると、すぐに緒方社長は笑顔で出迎えてくれた。

そして握手をしながら挨拶を交わすふたり。こうやって見ると、とても親密な関係のようだ。
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