愛され任務発令中!~強引副社長と溺甘オフィス~
「いつまでもあんな最低な男の言動に振り回されて、悔しくないのか? 幸せになって見返してやりたいと思わないのか?」

「もちろん思っています。……思っていますけど、そう簡単に気持ちを切り返ることなんて……」

また言葉を濁してしまうと、すぐに副社長は声を被せてきた。


「できるさ。ただチャンスがなかっただけ。……小山はもうあいつのこと、なんとも思っていないんだよな? 新しい恋愛をしたい、見返したいって思っているんだよな?」

なぜか確認するように聞いてきた副社長。けれど、彼が聞いてきたことはどれも本当。

「……はい」

力強く答えると、副社長は安心したように肩を落とした。

「わかった。……だったら俺に任せろ」

「――え」

俺に任せろ? それって一体どういう意味?

首を傾げてしまう私に副社長は「フッ」と笑い、私の頭をポンと撫でるとエンジンをかけた。

「戻るぞ。シートベルトしめて」

「あ、はい」

言われるがままシートベルトをしめ、それを確認すると副社長は車を発進させた。
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