愛され任務発令中！～強引副社長と溺甘オフィス～

箸を持つ手はすっかり止まってしまい、茫然とテーブルに並べられている料理を眺めてしまっていると、紗枝はなぜか急にスマホを取り出した。


「ねぇ、気分転換にこれやってみたらどうかな？」

そう言いながら見せてくれたスマホの画面には『御曹司を攻略！』のタイトルと、イケメンズが数名映っていた。

これはもしや、紗枝がいつも言っているゲームだろうか？


「副社長みたいなタイプの御曹司はもちろん、優しい御曹司や年下御曹司もいて、今けっこうハマっている人が多いんだ。どんな言葉をかけたり、どう行動するかによってストーリー展開や御曹司の態度やセリフも違ってくるから、意外とこれで副社長のこと理解できちゃうかもしれないでしょ？」


「えぇ―……でも、ゲームでしょ？」

ゲームで副社長の気持ちが理解できるとは、到底思えないんだけど。

渋ってしまう私に紗枝は痺れを切らし、捲し立ててきた。


「えぇい！　いいから一度やってみなさい!!　送っておくからさ。どうせ土日は暇なんでしょ？」

「……わかったよ」