俺様上司は、まさかの〇✕!?
「しかも俺がアレだって知った途端、他の男に目移りか。……気に入らねぇな」
「な……」
なんで課長がそんなことを言えるのよ。
だって、課長は男が好きなんでしょう?
男の人にしか興味ないって言ったじゃない。
「気に入らないって、よく言えますね。私は女です、課長にとっては興味対象外でしょう?それは一生変わらないんでしょうから、私が他の男の人とどうなろうと課長には関係ないじゃないですか!」
どうせ、私のことなんて好きにならないんだから。
「確かに前まではそうだった。けどな、お前をフッてから、素っ気ない態度されるようになって、俺はどうしようもないくらい、お前が気になって仕方ないんだ。その瞳を俺に向けてくれないのが苦しくてしょうがないんだよ」
「……え?」
目の前にある課長は、不機嫌な顔はもうとっくに無くなっていて、そこには切ない表情を浮かべて私を見つめる課長の姿があった。
こんな表情の課長を見るのは初めて。
ドクドクと心臓の激しさは増す。
「俺は今までお前と何気なく接してきて、まったく自分の気持ちに気付いていなかった。その関係で満足していて、まさか高原に目すら合わせて貰えなくなるのが、こんなに辛いものだと気付きすらしなかったんだ。……それってどういうことか分かるか?」
「それって――……」