空高く、舞い上がれっ。

感じた違和感




野球部の合宿が終わる日曜日、わたしはスマホを前にして正座。

一週間のうち交わした言葉と言ったら、オハヨウとバイバイ。メールを送っても眠いとか疲れたとか……

話したいことは山ほどある。
そわそわソワソワと、メールの受信を待った。

……しかし、その日いくら待っても、どれだけセンター問い合わせをしてもスマホが鳴ることはなかった。



ーーー
ーー

「ごめん、寝てた」

唯一、隣の席に座ることのできる日本史の時間。輝空は遠くを見るように昨日のことについて話した。

「まぁ、いいや。疲れてたんだもんね」

大丈夫だよ。と、言いつつもふてぶてとした態度のわたしを見て、ほんとかぁ?と、呆れた様子。

何か話さないと……そう思い、会話の種を見つけ出しては無理矢理な話で間を取った。
なんだか、会話が盛り上がらない……
最終的には、「ちょっとだけ、寝てもいい?」と、言われる始末。

せっかく久しぶりに話せると思ったのに……机の距離がいつもより遠く感じた。
< 175 / 268 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop