last summer


<風香side>


…えっ?


いやいやこの状況なに?


涙を拭いてゆっくり後ろを振り返る。


「快晴…ありがと…うっ」


振り絞って出した声は小さかったけど…
今出せる全力だ。


「別に。」


ぷいっとそっぽを向いた快晴は
太陽の光に照らされキラキラしている。


「はやく涙拭いて客引き頑張るぞ?」


意地悪そうに笑った快晴は
…もう今では見られない。
< 33 / 65 >

この作品をシェア

pagetop