初恋のキミは最愛ヒーロー

………数時間後。


「桃舞くん、大丈夫…?」


「うん。ちょっと疲れただけだから」


園内にある大きな花時計の傍のベンチに背に凭れて座る桃舞くん。


その両脇では壱夜くんと玲音くんが座って、涼しい顔でスマホをいじっている。


「医務室に行った方がいいんじゃ……」


「多分、平気だと思うよ?軽い乗り物酔いみたいな状態だろうから」


「紅月の言うとおり。ちょっと休めば、桃舞は直ぐに回復するだろ」


スマホに夢中になっていて、私の話なんてスルー状態だと思ってたのに…。


二人とも、ちゃんと聞いてたのか。


こういう時は気が合ってるんだな…と苦笑してしまった。


私が行きたいアトラクションということで、1発目にジェットコースター、次にメリーゴーランド、そしてコーヒーカップと乗ってきたわけだけど…


回転ものが多かったから、さすがにハードだったよね…。


でも、壱夜くんと玲音くんは何事も無かったかのような平常運転ぶりだ。


三半規管、結構強いんだな…。


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