初恋のキミは最愛ヒーロー

これって……


思わず写真立てを手に取る。


両側に、柔らかく微笑みながらしゃがんでいる莉彩の両親と思われる人たち。


そして、その真ん中で満面の笑顔を浮かべてダブルピースをしている小学校低学年ぐらいの莉彩。


ショートヘア。


朝顔柄の鮮やかな浴衣。


手首にはブレスレットらしきものを身につけている。


瓜二つだ。


俺が会いたいと思っている初恋の女の子に。


ドクンドクンと鼓動が激しく波打って、写真立てを持つ手が震えた。


落ち着け、俺。


あの子本人と決まったわけじゃない。


確か莉彩は隣県の高校から転入してきたんだよな…。


転校して間もない頃にクラスの女子たちがそんな話をしていた記憶がある。


だけど、あの子と出会った花火大会の場所は、この辺から行くとなると少し遠方の県だ。


有名な花火大会ではあるけど、全国的に…ってわけじゃないから、県外からの観光客の割合は少ない。


俺は母さんの実家があるから帰省した際に花火を観に行ったけど、莉彩は?


もしかして、どちらかの親の実家があるとか?


そう言えば、あの時…。


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