初恋のキミは最愛ヒーロー

傘の下、二人きり


壱夜くんと勉強を始めてから、かれこれ1時間ぐらい経過した。


「キリの良いところまできたし、そろそろ終わりにすれば?」


その声に反応してノートから視線を上げると、窓の外は雨のせいもあってか、スッカリ暗くなっていた。


「そうだね、帰ろっか」


一気に頭に詰め込んだから、パンクしそう。


でも、来週火曜日のテストまでは辛抱して頑張らなきゃ。


片付けと身支度を済ませて立ち上がる。


隣の壱夜くんに視線を向けると、帰り支度をする気配もなく、座ったままだ。


「あの、帰らないの…?」


「まだ雨が降ってるから帰れない。引き続き、俺はここで時間を潰すから、先に帰れ」


そっか。


壱夜くん、傘が無いんだっけ…。


「それなら、私の傘を使って?置き傘と折りたたみ傘の2本あるから」


「別にいい。そのうち止むだろうから」


「だけど、勉強を始めた時よりも雨足が少し強くなってるよ?この調子だと、いつまで経っても帰れないかも…」


通り雨ではなさそうだし…。


< 63 / 436 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop