【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!

「一体何？」
芽衣は、自分の腕をさする。

「名前呼んでくれてサンキュー。嬉しいよ芽衣。今後も名前で呼んでくれていーから」

「は？ 何言ってんの？私の名前は気安く呼ばないでっ」


「わかったわかった」梨田はニッコリ微笑むと自分の方から離れ始める。
数歩後ろへ下がってから梨田は芽衣へ向けて両手を振った。

「じゃ、今日は撤収するよ、芽衣。また俺から近いうちに連絡するから」


「はぁ？ 」

連絡？ 連絡なんかいらない。
それに、また勝手に私の名前を呼んだわ。

ふざけないで。
あんな軽い男とは2度と会わない。
今後絶対に会わない。

会うつもりなんか少しもない。

それよりも真知子に電話しなきゃ。
なんでわざわざ私に嫌いなタイプを会わせたのか…。