【【贅沢な片思い】】ヤツの所には行かせない!

梨田が芽衣の手を掴もうとして、手を伸ばしてきた。

それを避けるように両手を後ろへ回す芽衣。
『俺じゃ嫌』って、何なの?
どんな意味かわからない。



「あなたとは、もう会わない。会うつもりも無いから」

「じゃあ、先の事はいいよ。今は、まだ俺といて」

梨田に柔らかくハグされてしまう芽衣。

「柔らかいな、芽衣」
耳に梨田の吐息がかかる。


古びた歩道橋の下。

放置された錆びた自転車。

通り過ぎる車の音。
行き交う人の視線を感じていた。

梨田の手の感触を薄いブラウス越しに感じる。
直に肌に触れられているようだ。



「俺と一緒に朝までいて」

耳元で囁く梨田。


*・゜゚・*:.。..。.:*・'*:.。. .。.:*・゜゚・*
息が続くまで深く潜って、行き着いた先にあった光る物体。

それに人差し指の先がもう少しで触れそうだ。
揺れる海藻が深く潜る芽衣の足に絡みつく感じがしていた。
*・゜゚・*:.。..。.:*・'*:.。. .。.:*・゜゚・*
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