散歩道
たぶん…恋
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高校一年の四月。


『おっ!?孝之さんはけ〜ん!!』
窓の外を見てそうはしゃぐのは、親友の久保川奈美。

高校に入ってから仲良くなった奈美は、ちょっときつめでSっけがある。


『うそ!?どこどこ??』
奈美の言葉に釣られて窓の外を見たのは私、猪原麻里。

認めたくないけど私。
奈美と違ってMなんだよね…。笑
だからよく奈美にいじめられる。


『うん、嘘。笑』

ほらね。
いつもこんな感じにいじめられるんだ。


『もお〜!!はしゃいで無駄に体力使ったじゃん』

『ははっ。麻里は、本当孝之さんネタにひっかかるよね』



さっきからちょくちょく出てくる孝之さんとは、私の中学の先輩で。
私が大好きだった先輩。

私がこの高校を選んだのも、孝之さんがいるからだったり…


『だって〜。ってか、孝之さんでからかうのよめてよね』

『え〜麻里おもしろいんだもん。なんて言うかこう…S魂がね』


そう言って奈美は笑う。

まぁ。
私もいじられて嫌な気はしないんだけど。
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