Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
小声で話すところを見ると、どうやら御堂さんには内緒にしたいらしい。
私に助けを求めたなんて知れたら、また怒られてしまうのだろうか。
まだ御堂さんが部屋に戻ってこないことを確認して、私もひそひそ声で答えた。
「この黒と原色のデザインは、色がキツくて男の子っぽい感じがしますね。オレンジと赤のは、夏に見たら暑苦しそうです」
「じゃあ、このライトブルーは……」
「綺麗にまとまってるんですが――」
正直ありきたりだなぁと思った。こんな広告、前にどこかで見たような気がする。
デザインに対してこだわりの強い御堂さんが、これでOKするかどうか……。
「……ちょっと、パンチに欠けるというか」
言葉を濁すと、黒木さんは頭を抱えてううーんと悩み始めた。
「下手な色を着けると、モデルさんや小道具を食ってしまうんですよ。かといって白じゃ芸がないし……」
「パステルカラーのイエローなんて、どうですかね? ピンク、紫、ブルーは他と被ってしまいますが、イエローなら……」
黒木さんがデザインツールのカラーパレットをクリックし、この機能が用意してくれている84色の中からレモン色を選択した。
「これですか?」
「いえ、もっと淡い感じがいいです。明度を上げられますか? 色みはもう少し抑え気味で、彩度を下げて……」
私に助けを求めたなんて知れたら、また怒られてしまうのだろうか。
まだ御堂さんが部屋に戻ってこないことを確認して、私もひそひそ声で答えた。
「この黒と原色のデザインは、色がキツくて男の子っぽい感じがしますね。オレンジと赤のは、夏に見たら暑苦しそうです」
「じゃあ、このライトブルーは……」
「綺麗にまとまってるんですが――」
正直ありきたりだなぁと思った。こんな広告、前にどこかで見たような気がする。
デザインに対してこだわりの強い御堂さんが、これでOKするかどうか……。
「……ちょっと、パンチに欠けるというか」
言葉を濁すと、黒木さんは頭を抱えてううーんと悩み始めた。
「下手な色を着けると、モデルさんや小道具を食ってしまうんですよ。かといって白じゃ芸がないし……」
「パステルカラーのイエローなんて、どうですかね? ピンク、紫、ブルーは他と被ってしまいますが、イエローなら……」
黒木さんがデザインツールのカラーパレットをクリックし、この機能が用意してくれている84色の中からレモン色を選択した。
「これですか?」
「いえ、もっと淡い感じがいいです。明度を上げられますか? 色みはもう少し抑え気味で、彩度を下げて……」