桜色の涙

悲しい嘘




「えっ、広瀬くんが篠原さんと付き合っていたのって本当だったんだ!」


ここは学校の近くのファーストフード店。今日はそこに、俺と渚と矢代さんと小谷さんの4人で来ている。


今は6月の中旬。もう桜も散って暑い日が続く季節になった。


最初は険悪な雰囲気だった俺達だけど、だんだんと話す回数が多くなって今ではよく遊んだりする仲になった。



「うん、まあね」


そして今はみんなの恋愛話をしている途中。


渚は橋本さんのこと、矢代さんは江崎くんのこと。俺は……別れてしまった星那をまだ好きなことを話した。


小谷さんは『好きな人なんていないよっ』と言っていたけど、いつか全員で明るい話をできたらいいな。



「でも、篠原さんって江崎くんと……」


「そうそう!悠大くんの元カノだよね?羨まし……あっ」


江崎くんのことについて話していた女子ふたり。でも、星那の話になって俺の存在に気づきやめたらしい。


別に気をつかわなくてもいいのに。彼と付き合っていた星那の過去も含めて俺は包み込みたいから。
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