桜色の涙
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時間が過ぎるのは思ったよりも早く、もう今日は7月14日。そう、夏祭りの日。
今は渚と一緒に女子を待っている。でも彼は不服そうな顔で俺の顔を睨んでいる。
「だ、だからごめんって……」
実は昨日橋本さんに頼まれたんだ。
『広瀬くん、お願いっ!園田くんの浴衣が見たいの!』
渚が嫌がるのは目に見えていたけど、どうしても断れなくて今に至る。
「……どうして俺が浴衣なんて」
渚から出てきたのはやっぱり不満を含んだ言葉。でも本当に似合っている。
なんて、本人に言ったら怒られるだろうから口が裂けても言えないけど。
そんな不満そうな渚の隣で待つこと数分。
「お待たせー!」
「遅れてごめんね?」
浴衣姿で現れたの橋本さんと星那ちゃん。
軽く化粧をして普段とは違う大人っぽい髪型。そして、清楚で和な雰囲気の浴衣。
可愛い子が着ると華があってもっと可愛い。